「AIを業務に取り入れたいけど、何からやればいい?」
ChatGPT、Claude、Gemini、Copilot…
AIサービスが増えすぎて、どれを選べばいいかわからない。
「おすすめAIツール10選」みたいな記事を読んでも、結局どれが自社の業務に合うのかわからない。
とりあえずChatGPTを契約して業務に取り入れてはみたものの、「本当にこれが最適な使い方なのか?」と疑問を感じながら、なんとなく使い続けている。
こんな状況になっていませんか?
実は、この悩みの原因は「AI選び」にあるのではありません。
「順番」を間違えているのが原因です。
AI活用で成果が出ない企業がやりがちなこと
AIを業務に取り入れようとして、うまくいかない企業には共通点があります。
パターン1:「AIで何ができるか」からスタートする
「AIって何ができるんだろう?」と調べ始める。
文章作成、画像生成、データ分析、コード生成…できることが多すぎて、逆に何に使えばいいかわからなくなる。
結局「すごいのはわかったけど、うちの業務にどう活かせばいいの?」となって止まってしまう。
パターン2:ChatGPTとGeminiを使っているが、違いがわからない
とりあえずChatGPTを使っている。Geminiも試してみた。
でも、正直なところ「何が違うのか」がよくわからない。
どっちを使っても似たような結果が出るし、どちらが自社の業務に合っているのかも判断できない。
結局、なんとなくChatGPTを使い続けている。
パターン3:一度試してうまくいかず「AIは使えない」と判断する
試しにAIに仕事を頼んでみたけど、期待した結果が返ってこない。
「やっぱりAIって使えないな」と判断して、そのままやめてしまう。
これらに共通する問題は、「AI」を起点にしていること。
本当は「自社の業務」を起点にすべきなのに、「AIに何ができるか」から考えてしまっている。
だから迷子になるのです。
正しい順番は「業務 → 手動 → 効率化 → システム化」
私がたどり着いた、AI活用の正しい順番を紹介します。
STEP1:まず自社の業務を洗い出す
↓
STEP2:ブラウザでAIを使い、手動で作業してみる
↓
STEP3:繰り返す作業をGPTs/Projectに登録して効率化
↓
STEP4:複数AIの連携が必要ならシステム化する
ポイントは、STEP1から順番に進めることです。
STEP2を飛ばしてSTEP3に行くことはできませんし、STEP3を経験していないとSTEP4で何をすべきかもわかりません。
順番に解説します。
STEP1:まず「自社の業務」を洗い出す
最初にやるべきことは「AIで何ができるか」を調べることではありません。
「自社で日々、どんな業務が発生しているか」を書き出すことです。
難しく考える必要はありません。
社内で繰り返し発生している業務をリストアップしてみてください。
- メールの返信
- 資料作成
- 情報収集・リサーチ
- SNS投稿
- 請求書作成
- 議事録作成
- 顧客対応
- …
リストができたら、その中で「時間がかかっている」「担当者が面倒だと感じている」業務に印をつけてください。
その業務が、AI活用の候補になります。
「AIで何ができるか」ではなく「自社が何に困っているか」から始める。
この順番が大事です。
STEP2:ブラウザで「手動」で試してみる
次にやるべきことは、ツールを契約することではありません。
ブラウザでAIを開いて、手動で作業を試してみることです。
ChatGPT、Claude、Gemini。どれでも構いません。無料プランで十分です。
STEP1で印をつけた作業を、AIに手伝ってもらいましょう。
例:
「このメールに返信したいんだけど、文面を考えて」
「会議のメモから議事録を作って」
「この商品のSNS投稿文を3パターン作って」
このステップの目的は、「どう指示すれば期待通りの結果が出るか」を探ることです。
AIへの指示(プロンプト)や、渡す情報(コンテキスト)によって、出力結果は大きく変わります。
最初はうまくいかないかもしれません。でも、何度か試すうちに、こんなことがわかってきます。
- 「この情報を渡すと、精度が上がるな」
- 「この指示の出し方だと、期待通りの形式で返ってくる」
- 「この作業はこのAIが得意そうだ」
この試行錯誤を通じて、「自分の業務に必要なプロンプトとコンテキスト」が固まってきます。
いきなり完璧な指示を作ろうとする必要はありません。まずは試して、調整して、また試す。この繰り返しです。
補足: 作業によって得意なAIモデルは異なります。この選び方については、別の記事で詳しく解説する予定です。まずは「どれか一つで試してみる」で問題ありません。
STEP3:決まったプロンプト・コンテキストを登録する
STEP2で「この指示とこの情報を渡せばうまくいく」というパターンが見えてきたら、次のステップです。
毎回同じプロンプトやコンテキストを入力するのは面倒ですよね。
そこで、STEP2で固まった指示や情報を、AIに登録しておきます。
- ChatGPT → GPTsとして保存
- Claude → Projectに登録
- Gemini → Gemとして保存
一度登録しておけば、次回からは呼び出すだけ。新しい会話を始めても、毎回ゼロから説明する必要がなくなります。
登録すべき情報の例:
- 自社の基本情報(事業内容、ターゲット、強みなど)
- STEP2で固まったプロンプト(指示文)
- 回答のトーンや形式の指定
ポイント: 最初から完璧に登録しようとする必要はありません。STEP2で「これは毎回使うな」と気づいたものから、少しずつ登録していけばOKです。
STEP4:複雑な作業はシステム化を検討する
STEP3まででも、かなり業務は楽になっているはずです。
正直、多くの業務はSTEP3で十分です。
ただし、以下のようなケースでは、さらにシステム化を検討する価値があります。
- 複数のAIを組み合わせて、一連の作業を自動でつなげたい
- 毎日決まった時間に自動で実行したい
- スプレッドシートやメールなど、他のツールと連携したい
- 人間の判断を挟まずに、一気通貫で処理したい
こうした「複数の作業を自動でつなげる」場合は、専用のシステムを構築することになります。
ただし、ここで重要なのは「STEP4から始める人はいない」ということ。
なぜなら、STEP2〜3を経験していないと、「何を自動化すべきか」「どう組み合わせればいいか」がわからないからです。
手動で試したことがない作業を、いきなりシステム化することはできません。
逆に言えば、STEP2〜3を経験していれば、「ここは自動化したい」「ここは人間が判断すべき」という切り分けが自然と見えてきます。
だから、焦る必要はありません。まずはSTEP1〜3をしっかり回すことが先決です。
具体例:私が「記事作成の効率化」を進めた流れ
私自身がAIを業務に取り入れた例を紹介します。
やりたかったこと: SEO記事の作成を効率化したい
STEP1:業務を洗い出した
記事を1本書くまでの作業を分解しました。
- 市場調査(どんなニーズがあるか)
- キーワード選定(何を狙うか)
- 競合分析(他の記事は何を書いているか)
- 記事構成の作成(見出しを決める)
- 本文執筆
- 品質チェック
「時間がかかっている」のは1〜6のすべて。1本の記事を書くのに、丸1日以上かかっていました。
STEP2:ブラウザで手動で試した
各工程を、AIを使って手動で試しました。
ここで気づいたのは、工程によって得意なAIが違うということ。
| 工程 | 使ったAI | 理由 |
|---|---|---|
| 市場調査 | Perplexity | Web検索しながら情報をまとめてくれる |
| キーワード選定 | Claude Opus | 戦略的な思考、深い分析が得意 |
| 競合分析 | Perplexity → Claude | Perplexityで情報収集、Claudeで整理・分析 |
| 記事構成 | Claude Sonnet | 構成作成は高速なSonnetで十分 |
| 本文執筆 | Claude Opus | 長文でも品質が安定、深い思考が必要 |
| 品質チェック | GPT-4o | 別の視点を入れるため、あえて別モデルを使用 |
最初は「全部ChatGPTでいいかな」と思っていましたが、試すうちに「市場調査はPerplexityの方が圧倒的に早い」「長文執筆はClaudeの方が安定する」「品質チェックは別のモデルを使った方が客観的な指摘が出る」ということがわかってきました。
また、何度か試すうちに、こんなこともわかりました。
- 「自社の情報(事業内容、ターゲット、強み)を渡すと、記事の方向性がブレない」
- 「記事のトーンを具体的に指定しないと、毎回違う雰囲気の記事になる」
- 「品質チェックは、基準を明確にしないと曖昧なフィードバックしか返ってこない」
この試行錯誤を通じて、各工程で「どんな情報を渡すか」「どう指示するか」が固まっていきました。
STEP3:Claude Projectに登録した
STEP2で固まったプロンプトとコンテキストを、Claude Projectに登録しました。
- 自社情報シート(事業内容、ターゲット、強み、記事のトーン)
- 各工程用のプロンプト(キーワード選定用、構成作成用、本文執筆用、品質チェック用)
これで、新しい記事を書くたびにゼロから説明する必要がなくなりました。
Projectを開いて、「この記事を書きたい」と伝えるだけで、自社の文脈を理解した状態で作業を進めてくれます。
STEP4:複数AIを連携するシステムを構築した
STEP3で運用する中で、「ここは自動でつなげたい」という部分が見えてきました。
システム化を決めた理由:
- 複数のAIモデルを使い分けている:Perplexity、Claude Opus、Claude Sonnet、GPT-4oと、工程ごとに最適なモデルが違う。GPTsのような単一モデルに依存した形では実現できない
- 過去の記事との整合性を取りたい:サイトに公開済みの記事情報を読み込んだ上で、新しい記事を書きたい(RAGという仕組みを使っています)
- 出力をそのままWordPressに保存したい:記事が完成したら、WordPressの下書きとして自動保存されるようにしたい
そこで、これらを自動でつなげるシステムを構築しました。
結果として、1記事あたりの作業時間が大幅に短縮。以前は丸1日かかっていた作業が、数時間で完了するようになりました。
ただし、ここで強調したいのは「STEP2〜3があったからこそ、STEP4が実現できた」ということ。
手動で試行錯誤した経験がなければ、「どのモデルをどの工程で使うか」「どんな情報を渡せば精度が上がるか」がわかりません。
いきなりシステムを作ろうとしても、何を作ればいいかがわからないのです。
まとめ:AIは「AI選び」ではなく「順番」で決まる
「AIを業務に取り入れたいけど、何から始めればいい?」
その答えは「AI選び」ではありません。
正しい順番は、こうです。
- STEP1: 自社の業務を洗い出す
- STEP2: ブラウザで手動で試してみる
- STEP3: 決まったプロンプト・コンテキストをGPTs/Projectに登録する
- STEP4: 複数AIの連携が必要ならシステム化する
STEP2を飛ばしてSTEP3に行くことはできませんし、STEP3を経験していないとSTEP4で何をすべきかもわかりません。
焦らず、順番通りに進めることが、結果的に最短ルートになります。
今日からできること: まず、自社の業務を3つ書き出してみてください。その中で「時間がかかっている」「担当者が面倒だと感じている」ものがあれば、それがAI活用の第一歩になります。
関連記事
AIを業務に活用するための「準備」と「使い方」については、以下の記事も参考にしてください。
この記事は、Rework AI(rework-ai.jp)が提供しています。 「AIを試す → 理解する → 自分専用にする」を一気通貫でサポートします。


コメント